飯沼朋子さんの新刊『イギリス人の部屋はなぜモノが多くても素敵なのか』をおすすめする理由
飯沼朋子さんの新刊『イギリス人の部屋はなぜモノが多くても素敵なのか』をおすすめする理由
【平日朝7時に更新するインテリアブログ】
こんにちは。インテリアコーディネーターの三宅です!ブログにお立ち寄りいただきありがとうございます。
私が20年以上前に「jayblue」という屋号でインテリアコーディネート事務所を開業して以来、「かっこよく散らかった部屋づくり」をキャッチコピーに掲げているのですが、皆様から「かっこよく散らかった部屋って、どういう意味?」とよく質問を受けます。
その答えは…
モノが全くないわけではない。
完璧に片付けられているわけでもない。
モデルルームのような堅苦しさも感じさせない。
しかし、どこかしら独自のオシャレさと、居心地の良さが漂う。
つまり、まるで自分らしさが感じられる、ほっとできる空間。キャッチコピーを考えた当初は、そんなイメージを持っていたのですが、表現にしてみると「わかるような、わかりにくいような」漠然とした魅力になってしまいました。(なかなかうまく言語化って出来ないものです)
多くの方は、部屋をすっきりさせることや、シンプルな空間がオシャレだと考えているのではないでしょうか。例えば、この写真にあるリビングのように、モノや色彩を控えめにし、洗練された印象を受ける部屋を理想とするかもしれません。確かに、日本人は「引き算の美学」に共感しやすいのでしょう。
しかし、実際には、カラフルな色使いや、クッション、アートなどをアクセントに取り入れた「かっこよく散らかった部屋」もまた、魅力的だと思いませんか。
そんな「かっこよく散らかった部屋」こそ、私が目指す空間の形です。
さて、そこで、今回はインテリアデザイナーの飯沼朋子さんの新刊をご紹介したいと思うのです。
この本、タイトルからして惹かれませんか?私が長年考えてきた「かっこよく散らかった部屋」というテーマに、まさにぴったりな一冊だったんです。本の冒頭からこう書かれています。
「心地よいインテリアの秘訣は、モノを減らすことではなく、足すことです。」
もう、これを読んだ瞬間、心の中でスタンディングオベーションでした。大共感!
まさに、まさに!
ブラボー!
I totally get it!
そうなのだ、そういうことなのだ。足すんだよ!
部屋がオシャレになるのは、単に不要なものを捨てるのではなく、むしろ必要な要素をプラスしていくからこそ実現するのだと、強く感じさせられる内容です。
最近は「ミニマリスト」や「断捨離」といったキーワードが定着していて、すっきりと物を減らした部屋こそ正解、と思われがち。でも「捨てられないもの」ってありますし、捨てるってけっこう現実的じゃない場合もありますよね?実際、家を片付けようと断捨離を試みても、なかなか進まないのではないですか?
お気に入りの雑貨、旅先で見つけた一枚の絵、小さな植物たち…。「減らす」ことにこだわるのではなく、どう足して、どう整えるか。
持ち物を減らすのではなく、上手にアイテムを足してまとめるプロの技を、飯沼さんはわかりやすく解説してくれています。
〇〇スタイルという概念がない?
飯沼朋子さんは、私が尊敬するインテリアデザイナーの一人であり、イギリスで学んだ経験を活かして、グローバルな視点で日本の住宅インテリアにヨーロッパのエッセンスを取り入れています。日本では「〇〇スタイル」(北欧風とか、ブルックリンスタイルとか・・・)というラベリングを一般的にしたがりますが、イギリスでは「わたしスタイル」として、自分のお気に入りを自由に表現する感覚が根付いているそうです。この考え方は、「かっこよく散らかった部屋」という私の理念とぴったり重なります。
飯沼さんは、部屋の狭さに応じたレイアウトや、手持ちの家具を活かすアイデア、さらにはクッションの配置、照明の演出、ディスプレイ方法など、あらゆるケースに応じた具体例を示してくれています。読者が抱きがちな「やはりセンスが必要では?」「テイストがぶれるのでは?」「賃貸では無理ですよね?」といった疑問にも、先回りして丁寧に答えてくれています。
この一冊には、インテリアデザインの基本となる考え方が詰まっています。インテリアデザイナー、コーディネーターたちは、実はきちんとした理論やセオリーに従って空間を整えています。決して「適当に・センスとか直観に頼って」いるわけではないということが、お分かりいただける内容だとも言えます。
「自分らしい空間をつくるって、楽しいことなんだ」と改めて気づかせてくれるこの本。
インテリアが好きな方はもちろん、今の部屋をちょっと変えてみたいなと思っている方にも、ぜひ手に取っていただきたいなぁと思いました。
飯沼さんの言葉に「インテリアは育てるもの」という表現がありました。本当にその通りだなぁと私も思います。
良いご本でした。
出版おめでとうございます。
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