裾をひきずるカーテン、その意味とデザインの名称は?

マンションのコーディネート事例

昨年納めさせていただいたお部屋を、WORKSに掲載/更新しました。ご夫婦が2人で暮らす、北欧スタイルのとっても素敵な空間ですのでぜひご覧ください。今日のブログはこちらのお部屋から、カーテンの裾についてお話してみようと思いますのでおつきあいください!

HyggeLife大切な人とモノと共に過ごすシンプルな暮らし/神奈川

基本情報 ▼神奈川県横浜市マンション▼内装工事/トゥクリエイト▼インテリアご予算価格帯 600~700万▼撮影/大中啓(KEI OHNAKA) インテリア情報 ▶カーペット:サンゲツ▶カー…

というわけで、みなさんこんにちは。インテリアコーディネーターの三宅利佳です。
カーテンは、あらかじめ用意されている品番とサイズの中から選ぶ「既成カーテン」と、受注生産で作る「オーダーカーテン」があります。既成カーテンは、ホームセンターやインテリアショップで売っていて、価格が手ごろだということと即日持って帰れるのが最大のメリットです。
オーダーカーテンは、数日~数週間とお待ちいただく必要がありますが、なにからなにまでカスタマイズできますので、満足度は既成カーテンの比じゃありません。インテリアコーディネーターが提案するカーテンは、基本的にすべてオーダーカーテンです。

▼オーダーカーテンは、サイズだけではない!

窓の大きさを測ってぴったりに仕上げるのがオーダーカーテンだと思うかもしれませんが、オーダーで出来るのはそれだけではありません。どんな形にするか、どんなシルエットにするか・・・デザインも自由に指定できます。今日は、裾をズルっとひきずるスタイルについてみなさまにご紹介したいと思います。

裾を床にひきずっている

こちらの画像を見て、あなたはこう思ったかもしれません。

なにこれー。カーテンの長さ、合ってないじゃん!

あははは、寸法間違えちゃったの?!お店に文句を言ったほうがいいんじゃない?

日本の住宅においてカーテンは、床すれすれで垂れ下がっているのを標準と考え、そのように作られることが一般的です。私も、通常は床から1センチ離した状態になるよう納品しています。これは、厳密にいうと「フローティングスタイル」といいます。

しかし、カーテンのデザインはそれだけではありません。私は、ときどき「床に届いてひきづっているカーテン」をご提案することがあります。もちろん、寸法を間違えて発注ミスをしたわけではありません、意図的にそうしているのです。これは「ブレイクスタイル」というデザインのひとつです。

▼ブレイクスタイルカーテン

カーテンの裾をひきずることを、「ブレイクする」「ブレイクさせる」とか「ブレイクスタイルにする」なんていうふうに私たちは呼んでいます。英語だとBreaking Styleです。

厳密にいうと、

▶床ぴっっっっったり→グレイジング/タッチング
▶5センチぐらい長い→ブレイキング
▶10センチぐらい長い→パディング


・・と海外では呼んだりするようですが、私は長さの差にはこだわらず「床に届くカーテン」は総じてブレイクスタイルと呼んでいます。

▼カーテンの素材について考えると

日本のカーテンは「ポリエステル製」がほとんどで、製品として非常に優秀です。例えばこちらのサンゲツの布地をみてみましょう。カタログには、品番や色柄の確認ができるだけではなく寸法変化率の情報が開示されています。
この布地は、お洗濯をすると縦に-1%、横に-0.5%、縮ますよ、ということです。

掃き出し窓に、高さ2メートルのカーテンを作ったとします。-1%ということは「2センチ」小さくなり、寸足らずになるということです。でも2センチぐらいなら、吊元のフックの調整でなんとかできる範囲です。
では下記の布地はどうでしょう。同じくサンゲツですが、アメリカからの輸入布地です。


高さ2メートルのカーテンを作って、お洗濯したら-8.5%「17センチ」小さくなるということです。うひゃ~、かなりツンツルテンになりますよね!

▶ブレイクスタイルは、高級カーテンの証?!

ポリエステル製が多い日本のカーテンと違い、海外では麻や綿、シルクなど、天然素材を使ったカーテンも普通です。それらは、お洗濯をせずぶらさげているだけでも伸びたり縮んだりしますから、最初からカーテンを長めに作って垂らしておけば、サイズが変わってしまっても問題ありませんよね。ブレイクスタイルのカーテンは、つまり「このカーテンは天然素材を使っている高級なやつです」を物語っているともいえるデザインなのです。

さて、もうお分かりかと思いますが・・・ご紹介したこちらのカーテンは「レーヨン・綿・麻」で構成(しかも刺繍つき!)されています。麻はへたすると5~10%縮むこともあるデリケートな素材。
うっとりする美しさで、まさに、ザ・高級カーテンなのです。

ブレイクスタイルカーテンについてはこちらの記事でもご紹介していますので、よかったら合わせてお読みください♪

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