文系インテリアコーディネーターがおすすめする、3月に読むべき文庫本3冊
日本文学科出身のインテリアコーディネーター、三宅です、どうもこんにちは!
読書は好きなのですが、正確に言うと「かつては好きだった」になりますでしょうか・・・こんなことを口にしたくはないのですが、事実なのでしょうがないので言いますが、
見えねぇ。
見えないんだよぉ字が!!!
年齢とともに目の機能が衰えてきて、文庫本の小さな字がだんだん読めなくなってきました。ビジネス書の、アホみたいにでかい、読者を馬鹿扱いしているあれぐらいの大きなフォントなら読めるのですが、文庫本は厳しくなってきましたよね~。読むなら明るい日中じゃないと無理です。でも私は夜行性なので夜に読みたい。でも夜だと見えない。ぎゃー。‥‥って感じです。
#ブルーベリーの差し入れ大歓迎
#ブルーベリーは目にいいのウソ・ホント by Yahoo!news
さて、そんなわけで最近は全然読んでいないにもかかわらず、皆様から読書好きだと勘違いされている私が、しれ~っと本の紹介をする回です。とりとめのないブログですがどうぞおつきあいください。
三島由紀夫
【命売ります】
三島由紀夫の文章は本当に美しいなぁと思うのです。女性のお尻を『もぐらが持ち上げた春の土のような、ふくよかないい形だ』と表現したり、『夜がひとつひとつ カプセルに納まり 錠剤として嚥下(えんげ)される』という文章なんか、思わずため息がこぼれちゃうよね。なにその素敵な描写。
どうしたらそんな言葉が思い浮かぶのかしらってね。
三島由紀夫を「切腹した右翼のおっさん」だと思っている人がいたら、ちょっと待ってほしい。彼の小説はPOPで明るくてマジカルなお話がたくさんあるんですよ。
ご紹介したこの本は、自殺に失敗した主人公が、どうせ死んだはずの命なんだからと「命売ります」なんて商売を始めたら次々と変な奴らが現れてゴタゴタに巻き込まれて(そして、死ぬつもりなのになかなか死ねない)・・・というストーリーなのですが、SFっぽくて軽快でめちゃくちゃおもしろいのです。
そんなに長くないからぜひ手に取って三島ワールドにひたってみてはいかがでしょうか。
筒井康隆
【残像に口紅を】
それにしてもこの作品も実に面白かった。
とんでもない変態だな、おい、筒井康隆。
世の中から「あ」が無くなった世界を書く。その発想がもう「え?どゆこと?」って思いますが、読み進めれば理解できます。
「あ」がないということは「朝」「雨」という文字も概念も消えるという想定。最初は、一文字。消えていく文字は徐々に増えていく。「ご」を消した瞬間から「午後」という言葉が使えなくなるので、『昼間、太陽の出ている時間、それを二分割したうしろの時間』と表現する。「す」「だ」が使え無くなれば「~です。~だ。」の表現が出来なくなって、苦肉の策で主人公に「~なのじゃ。」など急に老人っぽい話し方をさせてみたりする。そうやってどんどん使える文字を減らし、最後の「ん」になるまで、日本語で小説を書ききったという、変態本なんです。
それで、小説を小説としてストーリーを成立させながら書ききったという、なんだろ、伝説と呼んでいいのではないかという、本。
松浦弥太郎
【伝わるちから】
力・・・じゃなくて、ちから、と平仮名なのが松浦弥太郎さんらしいよねと思いながら、読みました。なにげないことをエッセイに仕上げる文章力に嫉妬しちゃいます。
『僕は手紙をコートのポケットに入れて、セントラルパークを背筋を伸ばして散歩した。よく磨いた靴を履いて。』の締め方ひとつとっても、ほんのり鼻につく文系おしゃれ知的人らしくて、まぁ、あいかわらずの内容ですが、そこが魅力です。(ディスってないよ)
とうわけで、文庫本を3冊ご紹介しました~。時々読書記録をUPしています。よかったらタグでブログ記事を検索してくださいね。
#読書記録
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