小説からインスピレーション?!「重ねた本の上に檸檬」完璧を超える、未完の美学

小説からインスピレーション?!「重ねた本の上に檸檬」完璧を超える、未完の美学

【平日朝7時に更新するインテリアブログ】
こんにちは。インテリアコーディネーターの三宅です!ブログにお立ち寄りいただきありがとうございます。

わたしね、一時期、「重ねた本の上に檸檬をのせる」というディスプレイに凝っていたことがありました。
独身時代の一人暮らしの部屋でもそうやっていたことがあるし、モデルハウスのインテリアスタイリングに取り入れたこともあります。
これはもちろん、小説・梶井基次郎『檸檬』から「インスピレーションを受けたものです。
都会で生きる主人公が、虚無感に襲われうつろな中、丸善(東京の書店)にふらっと足を運ぶ。いたずら心に、積まれた本の上に檸檬を置いて店を出る。灰色に覆われた都会や主人公の内面・心に対し、鮮やかな黄色の檸檬のみずみずしさ。この対比が、儚くも鮮烈な感動を覚える、私の好きな小説です。

それを、実際のインテリアに反映させていた、私の梶井基次郎マイブーム。冒頭の画像はそんなマイブームが続いていたころ、某住宅展示場でスタイリングした当時のものです。ずいぶん昔のコーディネートです。

著:梶井 基次郎
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jayblueでは、モデルハウスを話題にすることがないので、モデルハウスのインテリア経験はないのかな?と思われるかもしれませんが、実はちょーっとだけ小物スタイリングのお仕事はしたことがあるんです。ただ、ほとんど写真がありません。モデルハウスのお仕事は、基本的にハウスメーカーさんの物件ですから「私の仕事」というわけにもいきません。写真を撮ったところでSNSに使えないしコーディネート事例に掲載も出来ないので、あまり写真にも撮らなかったんです。

洗面エリアのスタイリング

ちょっとしたコーナーづくり

モデルハウス・モデルルームに携わることを目標に頑張っているインテリアコーディネーターさんは多いと思います。「いつかモデルハウスのお仕事がしたいんです!」と目をキラキラさせて夢を語るICさんはたくさんいますから、いわゆる、花形?なお仕事のひとつかもしれません。

しかし、実は・・・わたし自身は個人邸のコーディネートのほうが100億倍、楽しいと思えるんです。住む人の顔が見えるし、リアリティがあるし、なにより、本当の生活がそこに乗っかってくるわけですから、「人の暮らし」というものに関わっている実感があります。

この世で一番つまらないもの、それは「完璧な世界」かもしれない、って思っているんです。私達は完璧を求めながら、完璧であってはならない。ちょっと変な矛盾を抱えているかもしれませんが、それがモデルハウスよりも個人邸のコーディネートのほうが楽しいと思えている理由です。(いや、理由になってないwww)


未完の美学。(檸檬なのにミカンとか、何言ってるのこの人)

じゃぁなんだい、個人邸のコーディネートは「未完成」って思ってやってるのか!・・・いえいえそういうことではないのです。
例えば完璧なウェッジウッドのカップアンドソーサーに入れた紅茶を飲みながら、小学生の娘が作ってくれたいびつな形のクッキーを食べる。
その、完璧ではないのに美しく幸せな世界観・・・といったら伝わるでしょうか?(うーん・・・・)


ポエティックな話になりそうなので、この辺でやめておきますね。

jayblueは、モデルハウスのお仕事を受けないわけではないのですが、現実として、あまりご縁がありません。
梶井基次郎ブームは去ったので、いまは積んだ本の上に檸檬をのせることはしません。
でも時々、思い出します。

 

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