JAZZとアフガニスタンの医師
某日。
四ツ谷駅近くのJAZZカフェ「いーぐる」にて。
(いーぐるのWEBサイトに行くと、このご時世にBBSがあって泣けてくるw)
狭い階段を降りる地下の店でランチ時はほぼ100%、男性の1人客だ。
思い思いに読書したり
目を瞑ったりしながら
パスタとコーヒーを体に流し込んでいる。
壁のスピーカーは
JBL 4344 markⅡ
耳を塞ぎたくなるような大音量の
その、一歩手前のボリュームが
心地よい没頭感。
————–
さて。
積読(ツンドク)本を消化中です。
※ツンドク本とは、
「そのうち読むぞ」と思いながらなかなか手を付けず、
部屋の片隅で積み上げられたままになっている本のことをいう。
一説によると、積み上げてから2週間たっても読まれないものは
おそらく一生読まない運命になる確率が高いと言われている。
これは、
昨年12月、井戸掘りの現場に向かう道中に狙撃され
銃弾に倒れ亡くなったお医者さん、
中村医師の功績をまとめた本だ。
羊土社 (2003-10-07)
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アフガニスタンで20年もの間、
ハンセン病をはじめ現地の医療に貢献してきた。
病気になる大元は不衛生な水だからと気づき
診療のかたわら自ら井戸掘りもしてきた。
アフガニスタンの土木工法で
アフガニスタンの人と作るのだ。
その数、1000近く!
こういった地域には
諸外国からたくさんの
ボランティアはやってくる。
でもそのほとんどは形だけの井戸掘り
(掘りましたよ的な写真だけ撮って終わり。水は出ない)
(現地の工法で作らず先進国の技術を持ち込んで作ってしまうので、故障したらそれっきりで直すことが出来ず井戸が死ぬ)
だし、
派遣されてきた医師達も
「これじゃ医療行為が出来ない」といって結局逃げ出すのがほとんどだそうだ。
アフガニスタンはイスラム教の世界。
女性は肌を見せない。
胸に聴診器をあてることさえままならない。
すると先進国からやってきたボランティア医師達は
「こんなんじゃ診察が出来ん」
「そもそもこの国は女性の社会的地位がー」
「そもそも女性への教育がー」
と、それらしい問題を持ち帰って、国際社会の中で提起しドヤリ顔をしてるだけだ。
中村医師は
「問題はそこじゃない。現地の宗教や文化に僕たちが口出しして僕たちのルールを持ちこんじゃダメだ。服の上から聴診器をあてて診療できる方法、僕らが工夫すべきは向き合う問題は、そっちなんだよ」
お金儲けにも、権威にも、地位にもビジネスにも興味がなく
ただただ人の命を多く助けたいと、
アフガニスタンに溶け込み
多くの友人をつくり
命を救い続けた。
素晴らしい日本人は、
きっと世の中にまだたくさんいるんだと思う。
利己的な信念など持たず
パッションに沿ってシンプルに生きている人に憧れる。
(あるいはそれをJAZZ的な人生と私は感じるのだ)
そんな、読後感。
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