隈研吾の角川武蔵野ギャラリーと、アニメホテルと、透明な標本の話

角川武蔵野ミュージアム
石の建築・隈研吾

【埼玉には何もない】

このワードを口にするのは 決まって埼玉県民たちだ。
気の利いた特産品が何もないという自虐ネタは、
正直いうとネタでもなんでもなく
マジで本当に何もないんだってば(笑) 

#イモとネギとセンベイ
#ラキスタとクレヨンしんちゃんとあの日見た花の聖地

埼玉スタジアムがあると浦和が言えば
さいたまスーパーアリーナがあると大宮が言い、
ムーミンバレーも出来たぞと飯能(はんのう)市も 頑張る中

昨年オープンした 隈研吾の『角川武蔵野ミュージアム』(所沢)

おっ!埼玉のおすすめスポットが増えるのか?
…はどうかわからんけどとにかくまぁ、訪れてみた。 


まぁまず、でかいなぁというのが第一印象。
建造物の迫力というのは本当に、圧巻、だよねと思う。


角川武蔵野ミュージアムの表面は
荒々しい表情の、割肌の花崗岩。

隙間から、やたらこの石が分厚いということがわかる。
息子が顔を近づけてのぞき込む。
『厚さどれくらい?んー…6センチくらいあるよね』

建築データを調べたら、やはり隈研吾は「石の厚み」にこだわっていた、ということがわかった。
ちなみにそれは7センチだそうだ。
惜しい!10ミリ違ったw

角川武蔵野ミュージアムは、結局なんなの?ってことなんだけど、
内部は、イベントギャラリーと図書館になっている。

圧巻の蔵書。
角川武蔵野ミュージアムの館長の言葉
「逸脱したものをサブカルと呼ぶが、よく練られた逸脱は新たな時代の様式になりうる」
サブカルチャーだったものがメインカルチャーと入れ替われたかのような出来事は、
アンディウォーホルの出現だったりするんだけど、
日本でいうと富野由悠季のガンダムと大友克洋のAKIRAがそれで、
このミュージアムはメインとサブ、ハイ&ロー、時代をひっくり返すような様式を目指している、
・・・とのことだ。

 

ジャンルごとの陳列が蔦屋書店のようでもあり、
カルチャーミックスな感じがヴィレッジヴァンガードのようでもあり。

 

訪れた日、開催中だった個展
【米谷健+ジュリア展 だから私は救われたい】ものぞいてみた。

企画展/イベント|角川武蔵野ミュージアム (kadcul.com)

これは、白化した珊瑚を表現したアート。
環境破壊を暗示して問題提起をしている。
作品は有田焼で作られているという、変態的でめちゃめちゃかっこいい。

 

これは、世界の原発保有数を表しているシャンデリアのアート。
ウランガラスで出来ている。

その片隅には
原発事故で放射能汚染の影響を受けた蝶の羽が使われた
小さなオブジェの展示もありました。

 

最後の晩餐と名付けられたオブジェ。
真っ白なこれらは、「塩」で作られているのだ!
塩害を暗示しているアート。

なかなかエグイアートで、すごく楽しめました。

小さいギャラリースペースではこちらの個展。
【荒俣宏の妖怪伏魔殿2020】

日本全国の妖怪を紹介した個展です。
「妖怪室外機」といった珍種?や
みろ!これがツチノコのミイラだ!とか
これが神の使者、3頭ヘビだ!といってあきらかに接着剤で合体させただろみたいな展示物、
ようは川口浩探検隊というか、
クオリティの低いフェイクを、フェイクとわかっていながら大人が本気でのっかるという
プロレス的な楽しみ方ができるB級エンタメってやつ。

同じ敷地内にもうひとつ建物があって、宿泊施設が併設されています。
アニメホテル

角川が作った施設なので
角川のキャラがお出迎えしてくれます。

上階のレストランでランチ。
アニメのキャラクターとのコラボドリンクなど。
(ただし、私はこのアニメを知らないので、なんのことやら状態)

 

 


普通にハンバーグ。

普通のお部屋もあるが、コラボルームもあるらしい。


(アニメホテル公式サイトより拝借)

すきなアニメがあれば泊まってみるのも楽しいよね、たぶん。
アニメホテルは、エレベーター内のアナウンスが著名な声優さんだったりします。
アニヲタなうちの娘なら喜ぶかもしれません。

というわけで、
角川武蔵野ミュージアム
隈研吾の建築、という話題で足を運んでみました。
私が一番印象に残ったのは、ミュージアム内に展示されていた透明な標本でした。

死んだ魚やネズミを、
特別な液に漬け込んで骨格を着色し、
特別な薬品でタンパク質を溶かし消失させ、
特別な液で保存する。
小さな個体でもこの標本が出来上がるのに1年かかるんだって!
(大きな生物になればもっと年数がかかる)

まるで21世紀のミイラだ。

というわけで早速、本を購入。

骨格がはっきり。

哺乳類も。

 

すごく美しい。
私が死んだらあんなふうに透明な標本になりたいなぁ!

 

 

 

 

公式サイトはこちら
角川武蔵野ミュージアム (kadcul.com)

 

 以上、埼玉県民(大宮在住)の三宅のブログでした。