同じように見えても全然違う?インテリア界隈にはびこる模倣の話をしよう

よくみれば別々ですが、なんか一瞬全部同じに見えてしまう・・・ミラクルなお弁当(娘用)をせっせと作っているのが私ですが、なにか。(色合いのせい?)
さてみなさんこんにちは。検索でこのページにたどり着いてくれる人が多いみたいなので、初めましての人のために簡単にこのブログの自己紹介をさせてくださいね。
ここは、フリーランスのインテリアコーディネーター三宅利佳がやっている「jayblueインテリアコーディネート事務所」の公式サイト&ブログです。インテリアのお話や施工事例などをご紹介しているのですが、お弁当はさておき今日はですね、「同じように見えても実は全然違う」ってものが世の中にはあるよねーっていうお話をしようと思っています。例えば・・・
冷麦と素麺とか。(ちがっ)
吉田鋼太郎とリリーフランキーとか。(ちがっ)
ってそういうことじゃなくて。
インテリア界隈は模倣がいっぱい!
あれ~、このデザインみたことある~。へぇ~50万もするのか!おや、まてよ、ほとんど似たようなデザインでこっちでは3万で売ってるぞ!な~んてことが、インテリア界隈ではよくあります。「いえいえいえ、決してデザインを違法にパクってませんよ。デザイナーさんすでに亡くなって100年以上たってるし版権も正式に切れているので違法ではないんですよ」という理屈のレプリカとかリプロダクトとかジェネリックという名称での流通もあれば、あきらかにこれはあれをパクったよね?と疑惑だらけなんだけれどしらばっくれて売買されてるソックリさんのけっこう微妙なグレーゾーンも存在しています。
何を言っているのかよくわからないわ?では具体的にご説明しますね!
これは、アーティチョークという名の照明器具。ルイスポールセン社が正規取り扱いで、デザイナーはポールへニングセンという方です。
いくつかバリエーションがありますが、直径60cmサイズのホワイトだといま190万円という価格で販売されています。一番小さい48cmタイプでも150万円。なかなか高級なインテリアの部類に入ります。
一方、下記の商品は別の照明です。商品説明部分に「これはリプロダクト品です、ルイスポールセン社の本物のアーティチョークではありません」みたいなことが小さい文字で記載されていたりします・・・。こんなにおしゃれなデザイナーズアイテムが3万円を切る値段で手に入るのなら、そりゃ嬉しいですよね。

こちらもインターネット通販等でみかけますが、1万円ぐらいで売られています。いやこれ絶対アーティチョークをパクってるよね?というデザインにも思えますがどうでしょうか・・・。違うのでしょうか・・・。気のせいでしょうか?似てるだけ?
後日ブログ追記:これはアーティチョークの模倣ではなくて、ハリセンボンへのオマージュだったと思いますよというご意見をブログ読者さんからご連絡いただきました!ありがとうございます。
では別のアイテム。これはレ・クリント社の照明。20世紀初頭、1枚のプラスチックを規則的に折り上げるという手づくりのランプシェードが生み出されました。っていうデンマークからうまれた灯りの名品!北欧インテリアに欠かせない、定番のおしゃれアイテムです。私のお客様のお部屋にもご提案をさせていただいてますし、何年たっても古臭くならないデザインで超大好きです。


そして下記のものはニトリさんのもの。レ・クリント社のジェネリックとかレプリカとかを謳っているのではなく、あくまでもニトリのオリジナルデザインとして2,085円で売られています。いや~これはまんまやんけ!・・・いうことでアウトじゃないんかい?と私は思っているのですがどうなんでしょうかね。
・・・とまぁ、インテリアの世界にはこんな話はごろごろあって、中には人知れず訴訟を抱えている企業もある。(訴えたり、訴えられたりね)
パクリ、模倣、盗作はアウトですが、引用、オマージュ、参考、リスペクトと言えばなんやかんやで許してくださいよぉ~となるのかならないのか・・・アートでもお洋服でも昔から同様のことが起こっていそうです。
安く買えるのは正義か?悪か?
法的な観点や著作権うんぬんはいったん置いといて。(置いといちゃいけない重要な問題ではあるが)
デザインを模倣し、そして低価格で売る。消費者目線で考えたらそれは「悪」だろうか?と問う人がいてもおかしくはないのかもしれません。だって、気に入ったデザイン、憧れのデザイン、それがお手軽に購入できるならいいことづくめじゃん、パっとみ同じ、これはレプリカだって自分で納得して買うんだから別にいいじゃないのって思うかもしれませんよね!むしろ消費者のためになっている。
わかる。うん、わかるよ。100万円以上する照明はなかなか手が届かないけど3万なら買えるかもしれないよね。よーくみたら違うかもしれないけどさ、パッとみるぐらいなら本物か偽物かなんてわかんないじゃん?友達に自慢できてさ、わーすごいね!なんていわれたら嬉しいもんね!私にとってはそれで充分だよねん!・・・って思う気持ち、めちゃめちゃわかります。
誤解のないよう言っておきますが、版権切れのジェネリックやレプリカは違法ではありませんので、購入してもなにも問題はありません。手軽にデザインを楽しむのは悪くない話です。
今日のブログでいいたいのは、みなさんそれぞれの価値観を問うているだけです。
・本物を、正規の店で手に入れる
・ジェネリックを、正規の店で手に入れる
・許可なしの模倣品を、手に入れる
・うっすらパクってる粗悪品を、手に入れる
みなさんの「哲学」ではどう感じますか?
ちなみにですが、ジェネリック品を私も購入(提案すること)が何度もありますが、こんなことがあるよという記事も合わせてお読みいただければと!
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▼正規のデザインを取り入れた、素敵なコーディネート事例をご紹介しています。よろしければこちらも合わせてお読みください!