アートの定義は何?インテリアコーディネートにおけるアートの重要性

西川美穂さんの作品『スカート』を飾る自宅リビング

アートがとにかく気になる。純粋な鑑賞欲もあるし、手に入れたいという所有欲もある。将来値が付きそうなものを目利きするといった投資の欲はないので、本当にシンプルに自分が楽しみたいというモチベーションなのだが、アートが気になるのだ。

アートの定義

アートは一般的に、芸術とか美術といった意味合いの文脈で語られるが、言語としては「人の手の加わった・人工的な」という意味である。
だからアートの対義語はネイチャーだ。

インテリアコーディネーターの私が話すアートは、ほぼ「壁にかける絵」や「棚の上に置くオブジェ」のことについてしゃべっているのだけれど、wikipediaによれば

アートとは、芸術や美術など、社会に間接的に影響を与え得るものである

・・・と書いてあるので、なるほどつまり、1通の手紙もアートになるし音楽やデジタルもアートになるということだ。「間接的に」というところがポイントだよね、と思う。


我々になんらかの影響を与えるものはすべてアートだ。

気楽に手に入れるインテリアとしてのアート

ギャラリーや画廊、オークションで手に入れる作家の原画を「アート」と呼び、IKEAのフレームにいれたポスターはアートではなくて「インテリア小物」「インテリア雑貨」じゃろう!と叫ぶ人もいるが、私はそこまで堅苦しいことは言わず、ギャラリーで買う作家の絵もIKEAのフレームにポスターを入れたものも全部ひっくるめて「アート」と呼んでいる。インテリアコーディネートにおいてはそれでいいんじゃないかと思っている。

アートが存在するために必要なのは「余白」だ

ところでちょっと質問なんだけれど、すきまがあるともったいないと思っちゃうことはないだろうか?なにもない壁があればしめしめとばかりにカレンダーをかけ、ハンガーをかけ、洗濯物をかけてしまう。床にスペースがあればここぞとばかりに、カバンを置き、収納クリアケースを置き、ゴミ箱を置く。

あいている空間を「もったいない/活用していない」と感じ何かで埋めようとしているなら、ちょっと待ってほしい。その余白が、余白こそが、アートの存在を許容するスペースだ。あなたの家のどこかに「余白」があったら、機能性で埋めるのではなく美的感覚で活用できないか、考えてみてはどうだ。

インターコンチネンタル大阪の客室/
3つの額縁じゃなく、コートハンガーがかかってたとしたら
インテリアはどんな感じ?

 

jayblue施工事例より/
インパクトのある壁紙にインパクトのある泣き顔のアート


jayblue施工事例より/
白い壁面に赤いアートが映えるのは
何もない余白の壁を残していたからこそ
SOHO HOTEL LONDONの客室/
2つの額縁がインテリアのコンセプトを深めている


jayblue施工事例より/
アートがあってこそインテリアの完成度があがる

ザ・リッツカールトン京都の客室/
アートの存在の有無を想像してみよう


jayblue施工事例より/
あの壁面に「掛け時計」があるのと「アート」があるのは
どちらがかっこいいだろうか。生き方として。


アートがない風景。それは、きっとちょっと味気ないインテリアだ。なくて困るものでもないから、アートなんか一生縁のないまま興味ももたないまま終わる人もいると思う。もちろんそれはそれでいいのだ。でもおそらく、私のブログを読んでくれている皆さんなら、少なからず私と同じ考えなんじゃないかなと思っている。


画竜点睛を欠く。


アートがないインテリア空間はそれだと私は思っている。