船井総合研究所 伊藤嘉彦氏のウェビナーの聴講レポート

船井総研のコンサルタント、伊藤氏のウェビナーを拝聴する機会に恵まれました。
これは、取引先や代理店さんにむけたいわば三協アルミさんの内部セミナーで、
伊藤さんはゲスト講師です。
本来なら部外者である私がアクセスできるものではなかったのかもしれませんが
特別に(?)拝聴させていただけたのです。

今日のブログは少し長文になるんだけれど、
(ていうか、本一冊分くらいの長さになった!)
(ていうか、読むのに10分かかります!)
せっかくなのでそのレポートを書いてみたいと思います。

 

ふーん住宅営業のセミナーの話かぁ
自分には関係ないかなぁ

そう思ってもしいまこのブログを読み飛ばそうと思ったICさんがいたとしたら、
もうハッキリ言いますよ
『あなた残念!』

ステップアップするための気付きをうっかり手放してしまったようなものです。

大変素晴らしい内容だったので
少しでもみんなにお裾分け出来たらなと思ったのでよかったら、お付き合いください。

 

————

おっと、その前に。
レポートを書く前にひとつだけ報告しておきたいことがあります。

従来のセミナーは

・スケジュールを調整して
・会場にわざわざ足を運び

時間も交通費もかけて参加していたものだけれど
コロナ以降当たり前になってきたウェビナー(オンラインのセミナー)は
ネット環境さえあればどこにいてもアクセス出来るのが最大のメリット。

このセミナーを私はどこで拝聴していたかというと、
事務所のデスクで、パソコンに向かって・・・ではありません。

イヤホンつけ、てくてく移動しながら音声だけでセミナーを聞き、
そして予約していた美容院に着いて、
つまりこんな感じで拝聴していたんです。

(髪を染めながら、船井総研のコンサルタントのセミナーを聞いている、の図)
(なんていう、無駄のない時間の使い方!)

スマホの画面なのでそもそも字は小さくて読めません。
し、
テクテク歩いているときはまさにラジオ状態ですから
せっかく用意してくださっていたパワポの画面や、
ホワイトボードに書き込んだ文字などの視覚情報はほとんど入ってこなかったんですが
(すまぬ!)
でもね、耳から入って来るお話だけでもぐんぐん引き込まれたんですよ。

髪染めたりしながらのほほんと聞いてる奴ですよ、
そんな私にビンビンとささる、
話術と内容だけでシンプルに人を引き込む1時間半だったということ、つまり
めちゃくちゃ面白いセミナーだったよ、ということと、
オンラインセミナー最高じゃん、ということを最初にお伝えしておこうと思います。

 

というわけで以下は、レポートです。
一字一句、伊藤氏の言葉をメモっていたわけではないので
私の脚色や解釈の肉付けも多分にありますし、
主観的なことも交えていますのでどうかお含みおきくださいませ~。

 

—————– 
強みを活かすこれからの工務店営業
お客様をその気にさせる「差別化」のカギ
船井総合研究所 伊藤嘉彦氏

・・・の聴講レポート

 

品質にこだわりがあるのに売れない。
業界を問わずこの話はいたるところで見聞きすることがあると思う。
・わが社の縫製技術は素晴らしいのだ
・うちの味は秘伝のこだわりがあるのだ
・弊社の商品は最高級の素材を使っているのだ
・我々の提供するサービスは世界に通用するクオリティなのだ
なのに、売れない。

戦後、モノが圧倒的に不足していた時代であれば
クオリティ=購買意欲 に直結していた。
ところが、いい商品をつくりさえすれば売れるが通用する時代はとっくに過ぎ去っていて
そして、そのことに薄々気づいている人も多いことだろう。

住宅を売る。

いまやどのハウスメーカーもどの工務店も一定のクオリティを保っていて、
いまどき欠陥住宅をつくるような企業は残れているはずもない。
断熱に自信がある、耐震構造に自信がある、それぞれに「売り」のポイントは違うかもしれないが
著しく「はずれ」をひいてしまうことなんかないような時代だ。

じゃぁどうすればいいのだ?

自分ごとに落とし込んでみるとこういうことかもしれない。
昔はブログを書いているだけで(ブログを書いているフリーランスのインテリアコーディネーターなんてどこにもいなかったからね)依頼が舞い込んだ。でもいまはどうだろう?ブログを書いているフリーランスのインテリアコーディネーターなんてゴマンといる。
みんなそこそこ提案レベルも高そう。うちはオンライン打ち合わせやってます、うちはなになにをやってます、ってさサービスもみんな似たり寄ったり。そんな中で、どうやったら自分を選んでもらえるの?

つまり、どうすればいいのだ?

という話だ。
コンサルタントの伊藤さんは、元々は三協アルミの営業マンだったそう。
その時に学び気づき分析したことを、いまこうして「営業」という、万人に共感してもらえるテーマに落とし込んで
非常にわかりやすく(そして実に実践的に)解説してくれたのがこのセミナーである。

自分には関係ないと思っているかもしれないが、実は意外と多くの人が「営業職」なんじゃないかと思う。
例えば私の夫は商社の審査部にいるのだがそういう人は「営業」とは違うジャンルかもしれないけれど、
八百屋さんも、ネイリストさんも、ウェブデザイナーさんも、パンやさんも言ってみれば「営業職」だ。
数ある競合他社の中から選んでもらわないといけない。

伊藤さんは「営業には2種類あります」と言う。
・物販営業
・コンサルティング営業

この2つは分けて考えないといけない。
なぜならば売り方、アプローチが全く違ってくるからだ。

物販営業とは
・目に見えるもので
・購買経験があるもので
・それを買えるか買えないか自分で判断できるもの
をいい、建売住宅や賃貸住宅や、車や、洋服などがそれにあたる。

コンサルティング営業とは
・目に見えない商品で
・購買経験がない(もしくは経験が乏しい)で
・それを買える買えないか自分で判断しにくいもの
をいう。注文住宅とか、生命保険とか、英会話スクールとか、ウェディングサービスなどで、
そしてインテリアコーディネートもここに入るし、オンラインサロンもそうだろう。

購買経験がないというのは、実際、営業マン自身もそうであることが多い。
家を買ったことがない若い営業マンが家を売るし、
インテリアコーディネーターに依頼したことがないインテリアコーディネーターが
インテリアコーディネートのサービスを売っているのが現状だろう。
ウェディングサービスなんて「何度もサービスを利用したことがある」という人は
圧倒的に少なくて、ほとんどの人は一生に1度かせいぜい2度くらいだ。
そういう「あんまり買ったことないし何を基準に選んでいいかもよくわかんないもの」を売るのが
コンサルティング営業だ。

伊藤さんのウェビナーは、物販ではなくこの
コンサルティング営業に的を絞って、
じゃぁどうしようか?という話なのである。

どうだろう?
インテリアコーディネーターにもめちゃめちゃ関係ある話でしょう?

 

ノートを1冊買うとしよう。
私達は
・ノートというものを知っている(目に見えるものだ)し
・これまでに買った経験が幾度となくあるから自分のなりの判断基準を持っている(罫線はこう、サイズはこう、紙質はこうがいい)
・自分で買えるか買えないか判断できる(150円なら買おうとおもうけど、500円ならやめておこう、など)
なので、文房具屋の営業マンは物販営業のノウハウを使えばいい。

じゃぁ、これはどうだろうか?
ピッピキポンポンに興味があるので買ってみようと思ったとしよう。
私達は
・ピッピキポンポンがわからない(目に見えない)し
・これまでに買った経験がないから何をどう選んでいいかわからないし
・自分でそれが買えるのか買えないのかよくわからん
のだ。

あなたがピッピキポンポンの営業マンだったらどうするだろうか?
伊藤さんの話を聞いて私が考えた、ダメなケースはこうだ。

いらっしゃいませお客様!ピッピキポンポンをお探しなんですか!
わが社のピッピキポンポンは赤と青と緑がございましてね、
えぇ、イタリアで採掘した最高級の大理石を原料にしているんです。
素晴らしいんですよ、えぇ。
え、ほかのところでもピッピキポンポンをご覧になった?そうでしたか、どうでしたか?
そこのお店のピッピキポンポンも素晴らしかったんじゃないですか?
何が気に入りましたか?

(えぇ、まぁそうですね・・・ツルツルとした光沢が綺麗だなぁって思いましたよ・・・)

そうでしたか。えっと‥わが社のピッピキポンポンは艶のないマットな表現が特徴でして、
ツルツルしたのは扱っていないんですが・・・マットなのもいいですよ・・・どうでしょうか?

(いやまぁ、まだ検討中って感じで・・・)

そうですか、いかがです、ちなみにわが社のピッピキポンポン、これね、
年内のご納品なら特別価格の150万で、しかもおまけにタコつぼ型のセンサーボックスもお付けします。
めちゃくちゃお得です。いかがですか!

(そうっすね・・・まぁ他もいろいろみてみたいんで・・・またきます・・)

他もいろいろみてみたいんで

はい、このワードが出たら終了の合図だ。

 

 

コンサルティング営業で最初にやる重要なことは
自社のサービスや商品説明を一生懸命することではない。
伊藤さんが考える、営業の役割とはこれである。

判断基準を教える

ということだ。

レストランを決めるときも、家電を買う時も、
我々は例えばこんな状態にならないだろうか。
まずはスペックや情報を調べる。
サイズとか値段とかメニューとか性能とかいろいろ見てみるけれど
どれも良さそうに思えて、決められない。
すると今度は人の評判を聞いてみる。
口コミや★の数をチェックすればあれやこれやといいことも悪いことも書かれていて
膨大な情報に、ここでもやはり決められない。
とにかく情報だらけ。
結局何が正解なのかがわからないのだ。
そうやって悩んでいる客に営業マンがかけるべき言葉は
「商品説明」ではないはずだ。

判断基準を教えてあげる、ということだと伊藤さんは言う。

さっきの、私が考えた例には、
やってはいけないNGトークがいくつも含まれているので指摘していこう。

 

———————-
いらっしゃいませお客様!ピッピキポンポンをお探しなんですか!
わが社のピッピキポンポンは赤と青と緑がございましてね、
えぇ、イタリアで採掘した最高級の大理石を原料にしているんです。
素晴らしいんですよ、えぇ。
———————–

→いきなり自社の説明をするのはNGだ。
インテリアショップでも洋服屋さんでもついやっていないだろうか?
いきなり入ってきたお客様にここぞとばかりに
うちのこのソファは・・・
うちのこのコートは・・・
うちの品ぞろえは・・・
いやいや、そうではないのだ。
ここはまず一般論を話すのが正解である。
判断基準をお客様に提供するのが営業マンの役割である。
訂正してみよう。

いらっしゃいませお客様!ピッピキポンポンをお探しなんですか!
ピッピキポンポンというのは、一般的に大きく分けて2種類あるんですよね。
ツルツルしたタイプと、マットなタイプ。

海外出張や新幹線での移動が多いような方はマットなタイプを選ばれる方が多いです。
えぇ、やっぱり腰にめちゃめちゃいいですから。
ツルツルしたタイプは、スマホで音楽を聴く機会が多い人がよくお使いになりますよ。
お客様はどんな状況でピッピキポンポンをお使いになられますか?

(へぇー、そうなんですね、いや、実は出張が多いんで使ってみたいなって考えてたんです・・・)

そうでしたか、それでしたらマットなタイプのほうがきっとお客様にはおすすめかもしれませんね。

→どうだろうか?
何を基準に選んだらいいかというガイド役になっているし、
あ、この営業マン、いろいろ詳しそうだな?という印象も与えることが出来る。

では次のくだり。

—————————
え、ほかのところでもピッピキポンポンをご覧になった?そうでしたか、どうでしたか?
そこのお店のピッピキポンポンも素晴らしかったんじゃないですか?
何が気に入りましたか?

(えぇ、まぁそうですね・・・ツルツルとした光沢が綺麗だなぁって思いましたよ・・・)
—————————–

 

→同業他社を検討しているお客さんに「あっちは何が良かった?」と聞いてしまうのは
相手のペースに引き込まれるし、なんなら自分のウィークポイントにひっかかってしまうこともあるので避けたい。
何が良かったかではなく「そこで決めなかったのはなぜか」を聞こう。
訂正してみよう。

 

え、ほかのところでもピッピキポンポンをご覧になった?そうでしたか。
そこのお店でピッピキポンポンを買わなかったのはどうしてなんですか?

(えぇ、まぁそうですね・・・ちょっと値段が高いなぁって思って・・・)

なるほど。でしたらこういうのもあるんですよ。
うちはマットなタイプを扱っているんですけれど、色がいくつかありましてね、
基本的には鮮やかで綺麗なものばかりなんですが、ひとつ、
アイボリーというのがありましてこれは彩色をしなかったぶんリーズナブルにご提供できるものなんです。

カタログには載せていない商品なんですがマニアに人気商品なんです。

(へぇ~、なるほど、性能は一緒だけど色がないってだけでお安いんですね?)

そうなんです。お客様はお色にこだわりがありますか?どうしても青じゃなきゃ嫌だという理由とか。

(いえいえ、とにかく出張を快適に過ごせたらなって思っているだけなので色にはこだわりがないですよ)

でしたら!ピッピキポンポンのお店は都内に20店ほどあると思いますが
色のないタイプはわが社独自の商品でして130万円なんです、お客様の使いみちにとても合うはずです。
あちらのカウンター席で実際のものをお持ちしますので、
よかったら・・・お時間少しありませんか?珈琲ご用意しますね。

(あっ、はい!・・・じゃぁ、ちょっとぜひ見せてもらおうかな)

———————–

どうだろうか。
つい三宅劇場を繰り広げてしまって申し訳ないが、
つまり、いいたいことはそういうことだ。
何度も言うが、

営業マンの役割は
判断基準をお客様に教える、ということ。
それが結局のところ信頼を得られ、差別化につながり、契約につながるということだろう。

インテリアコーディネーターの私にも
思い当たる節はやまほどある。
よく「優柔不断でなかなかプランを決めてくれないお客様」への愚痴をこぼす人がいる。
胸に手を当ててみよう。もしかしたら、それはお客様が優柔不断なのではなくてインテリアコーディネーターが
「何を基準に決めたらいいか」判断基準を伝えきれてないだけかもしれない。
道しるべがない中では、お客様はどう決めたらいいかわからず、
「他も見てみます」を繰り返すだけである。

そんなお話が、伊藤さんのウェビナーからもらった気づきの一つである。

さて。

伊藤さんの話は、
根拠のある数字(どこの本にものっていない、自らの経験値から分析したリアリティのあるデータ)や
具体的な話法などのレクチャーも盛沢山で、
なるほどと共感し納得できる話ばかりだ。
すべてを列記してしまうのは、伊藤氏の営業妨害になってしまうと思うので控えるが
機会があればぜひ、あなたも一度、彼のお話を聞いてみると面白いと思う。

最後に、改めて「そうだよなぁ」とうなづいたことを書いてレポートを終わりにする。

—————
A客
B客
C客

お客さんには3つの層がある。
A客は「〇〇社で家を建てたい(検討している)」
B客は「〇〇社でもいいけど▲▲社でもいい」
C客は「家が欲しい」

集客はすればいいってもんじゃない。
C客は相手にしないこと。
B客は営業労力がかかりすぎるので深追いしないほうがいい。
A客を狙え、ということだ。

私に例えるならこうだ。

A客「三宅さんにコーディネートをしてほしい」
B客「三宅さんでもいいけど荒井さんでもMAKOさんでもいい」
C客「インテリアコーディネーターの人にお願いしたい」

もうお分かりだよね?
我々が追うべきはA客でいいんだよ。

そんな話である。

というわけで、
いろいろ雑音をいれてしまったレポートなんでアレなんだけれど・・・
伊藤さんのウェビナーは話の構成がすっきりとしていてとても聞きやすく、
自分ごとに落とし込みやすく、
また、三協アルミさんの動画撮影のセッティングっていうのかな?
音声が非常にクリアでそれもまたとてもよかった。

楽しいお話をありがとうございました。

——————— 

 

 

あ。

で。

なんでこのウェビナーを拝聴させていただけたかといいますと

来年、三宅さんがこのウェビナーに出る番だからね、
講演スタイル勉強しておいて!

っつーことでした。
うへぇ~・・・ハードル高っ。
頑張ります・・・。

 

 

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