変身。
K様のリビング。
壁一面のCD棚、デスクとテレビボード一体の家具。
上品なグリーンの生地を使ったソファやカーテン。
優美なフォルムのスタンド照明やシャンデリア。
ほとんどが新しく揃えたものなのに、
時間の経過が沈殿したかのようなクラシカルな雰囲気。
こちらは追ってまたコーディネート事例のほうでご紹介を考えています~★
お楽しみに。
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さて。
カフカの「変身」を読んだのは、18歳の頃。
内容はこうだ。
主人公のグレーゴル・ザムザは、ある朝目覚めると
自分が巨大な「毒虫」になっていることに気づく。
いつもの出勤する時間を過ぎてもでてこないザムザを心配して
部屋をのぞきにいった家族はその姿を見て驚く。
その日以来・・・
父は嫌悪感を示し、母は頼りない。
唯一食事の世話などの気遣いをしてくれた妹も、時がたつにつれ離れていき・・・
父が投げつけたリンゴが背中に食い込んだことがきっかけで
ついに主人公ザムザは死んでしまう。
ザムザの死骸はあっけなく掃除され廃棄され、
家族はピクニックに出かける。そんな結末。
「毒虫」のイメージは、ゴキブリだ。
読む人によってクモだという人、ムカデだという人、いろいろな説があるらしいけれど、
私のイメージは、ゴキブリだった。
朝目覚めたら、主人公は大きなゴキブリになっていた。
家族からうとまれ、世間から隔絶される。容赦なくうける冷たい仕打ち。
腐ったものを食べたくなり、壁や天井にへばりつく習性が身に付き、どんどん自分が変わっていく。
カフカの「変身」は、
いきなり「外見」が変身してたところからはじまる話。
疎外感、不条理。
毒虫が暗示しているものはなんなのか、
10人いれば10通りのさまざまな解釈がなされていく。
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カフカの変身を読んでから・・・22年。
先日、東野圭吾の「変身」を読みました。
銃で頭を撃たれるという事件に巻き込まれた主人公は
「世界初の脳移植手術」を施されて、奇跡的に一命をとりとめる。
一部分とはいえ、他人の脳を移植されたその後の人生。
カフカの変身とは逆で、
体はそのままだけれど
自分の「意識」や「性格」「行動」がじわりじわりと、他人にかわってしまう話だ。
自分が自分でなくなっていく・・・
どちらの「変身」も、主人公が向かった先は同じように「死」だった。
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さて。
自己を位置付けているものはなんなのでしょう。
何が変わると、自分じゃなくなりますか。
何が変わらなければ、自分であると断言できますか。
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世の中はたくさんの雑音で埋め尽くされていると思う。
心の平静を保っていればこの世は静寂に感じる。
けれど、心が乱れるときだってあるよね。
そんなときの私は、
自分の声すら聞こえない大音量のノイズにのみ込まれて思考を停止させているか
深い深い海の底に逃げ込んで貝のように口を閉ざしているか
どちらかだ。
そんなときに、いつも思う。
「これは、本当に、私なのだろうか?」と。
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クリスマスですね。
ケーキ、食べましたか~?