介護かぁ

東京O様

コーディネート事例を更新しました。
お楽しみくださいませ。

さて。

もっともっと今よりも昔、
先輩コーディネーターさんがこんな質問をしてきました。
私は、コーディネーターの資格をとったばかりの
20代の、超ぺぇぺぇです。

「あなたは、インテリアの、具体的には何が好き?何を得意として提案したいの?」と。

超ぺぇぺぇの私は、一瞬言葉に詰まってから

「え・・っと、そうですね・・家具、です。置き家具。ソファでもテーブルでもなんでもいいのですが
家具を提案するのが好きです」と答えました。
まぁ、わりとその場しのぎの答えだったと思う。

隣にいた別のコーディネーターさんは

「私はキッチンとかお風呂とか設備寄りのプランニングがしたいです」と答えていました。

ベテラン先輩コーディネーターさんはこう言いました。

「あら、そう。ふふっ。コーディネートの醍醐味は特注家具よ。特注家具。
これが提案できるようになったらこの仕事おもしろいわよー」

あれから20年近くたつわけで。
私は特注家具の提案が大好きなコーディネーターになった。
そして窓回りの提案も大好きだ。
お風呂やトイレなど、設備寄りの提案は実はそれほど大好きではない(←言っちゃった)
キッチンは特注キッチンなら大好きで、
システムキッチンはあまり得意ではない(←言っちゃった)

こらこら。

でも、基本的なことをいえば「家の中に関する提案は全部好き」だ。

そのベテラン先輩コーディネーターさんとは、
たった2~3か月一緒に仕事をしただけの関係だった。
(正確に言うと、一緒に仕事をしようとして同じプロジェクト内にいたのだけれど
計画がおじゃんになってフェードアウトした)
(基本的に担当制の個人プレーのプロジェクトだったから、お会いしたのはほんの数日間にすぎない)

まもなく、その方はこの仕事をやめてしまった。
もともとミサワホームにいて、
いくつも賞をとっていたような実績のある人だったのだけれど
「親の介護でどうしても仕事を続けることが困難になりました。
出産、育児、女性はいろいろな事情に振り回されますよね。悔しいけれど。
今度は介護の時期なのです。しょうがないの。
あなたはかけだしのコーディネーターでしょ、何か困ったことがあればメールくださいね。
教えてあげられることがあればいつでもお答えしますから」

そういってくださって、何度か質問メールなんかをしていた時期もありましたが、
だんだん疎遠になり、そしてそれっきりになってしまいました。
連絡先も・・・そして・・・お名前すらもだんだん記憶から薄れてしまったのだ。

・・・お元気でしょうか~と、ふと思い出しました。
今も介護生活は続いているのだろうか。
それともどこかでまたインテリアの仕事をしているのでしょうか。