【アートの正しい位置はどこ?】インテリアのプロが覚えておきたいリビングにかける絵の高さ

某日のスパイラル
(東京・表参道)

美術館に足を運ぶのは、とてもいい趣味だと思います。芸術鑑賞は脳みそへのいい刺激と栄養になりますよね!それでちょっと影響をうけたりなんかして、ひとつ自分の家にも絵を飾りたいなと思うことがあるかもしれません。

壁にアートがあるとインテリアが華やぎます。
油絵でもいいし、シルクスクリーンでもいいし、写真でもいい。
お気に入りのアートを見つけて、ぜひ自宅に迎え入れてみたくないですか?

jayblue施工事例/
アートのあるワンルームリビング

ところで、絵ってどの位置にかけたらいいのだろう?

jayblue施工事例/
ソファの背面にアート

絵はどの高さに飾るもの?

インテリアコーディネートのお仕事をしていると、けっこうこの質問って多いんですよ。お客様に「どこにかけるのが正解なんですか?」と改まって質問されたときに、うぐっ・・・え、え、え、っと・・・と、しどろもどろになったらまずいですよね。だから、絵はどの位置にかけたらいいのか、しっかり頭にいれておきましょい!

では、話を簡単にするため「1枚の絵を飾る」ことを想像してみましょうか。
壁のちょうど真ん中がいいかなとか、ソファの中心に合わせたらいいかなとか、ダウンライトなどの照明が当たるところに合わせたらいいかな、など。左右のバランスはなんとなーく皆様も見当がつくかと思います。

では、高さはどうでしょうか?
うーん・・・どのくらいの高さがいいのか・・・あれ?そもそも正解なんてあるのかな?
はい、あるんですよ♪

一般的なギャラリーや画廊では、アートの中心が140センチの高さになるようにかけられています。

140センチというのはなんの数字かと言いますと、少し離れて立ってみたときにちょうど視線の先にあたる位置になります。言われてみればシンプルですよね!そうか、視線に合わせた高さにする、なるほど、その通りだ!と。
(大きなギャラリーや、人だかりが予想される人気の絵画の場合は、距離をとって拝観する想定になるのでもうちょっと上にかけられています)

某日のスパイラル
(東京・表参道)
目線の先に絵がくる高さ
140センチ

また、ホテルの客室を例にとっても、飾られた絵の高さを測るとたいていは140センチなんですよ。

床から140センチが
絵の中心
床から140センチが
鏡の中心
ザ・リッツカールトン大阪の客室
絵の高さはたいてい140センチ

美術館やホテルだけじゃなく、自宅でも同様の考えでOKです!アートの中心が140センチの位置にくるように合わせるのが標準的な取り付け高さだと覚えておくといいと思います♪

絵は140センチの高さを中心にして掛ける

では、ソファの背面の場合はどうしましょうか?
家具がおいてあっても同じ位置でいいのかな?と疑問ですよね。それは、ソファやベッド、キャビネットなどの家具がある場合でも、アートは140センチの高さを中心に掛ける、という考えをベースにしてよいと思います。
ですが、状況によっては都合がよくない場合もでてきます。

140センチを中心に掛けたアートは、大きさによっては例えばソファに座ったとき、頭にぶつかることがあるかもしれません。それはちょっと嫌ですよね。そんなときは、絵の中心ではなく「床から140センチ離す」というのを目安にするといいと思います。中心ではなく、下端を140センチにするのです。
日本人男性の平均座高が93センチ、座面の高さ(仮に40センチ)を足すと座ったときの頭のてっぺんまでが133センチになります。ということは、140センチぐらい離しておけばまぁ、だいたいかわせるよねという計算です。

そして、もうひとつの目安として「ソファの背もたれから30センチ離す」もおすすめしたい寸法です。とても大きなアートを掛ける際にも通用します。これは感覚的なものですが、総じてビジュアル的にバランスよくおさまっているんじゃないかなと私は思っています。

1)床から140センチ離すと
頭に絵が当たらずに済む
2)ソファの背もたれから30センチ離すと
ビジュアル的にバランスがよい

おさらいをします。

・アートの中心まで140センチが標準の取り付け高さ

・ソファとなら30センチの距離を保つのもバランスがいい

・頭にぶつけたくないなら床から140センチ離す

以上をベースに、あとは現場での状況に合わせ微調整するといいと思います。

ご覧の写真は、一般的な高さつまりアートの中心までが140センチで設置した状態です。こちらのソファはコンパクトで背もたれが低めですので、ソファに腰かけてもアートが頭にぶつかりません。この設置位置は、正解のひとつだと思います。

あるいはこの写真のアートをもう少しだけ下げ、ソファとの距離(43.5センチ)を30センチの距離感に詰めるのも、ビジュアル的なコーディネートとしてはありかもしれません。
皆さんはどうお感じになりますか。
参考になさってみてくださいね♪

アートのご紹介!

さて。さきほどからリビングの画像にかかっていた絵は板垣晋さんの作品「Still Life」です。
こちらのギャラリーからお借りしました。
購入先はこちら


おぼろげな淡い色調、談笑する人々のシルエット。町の風景と人の思い出をフラッシュバックするようなワンシーンにstill life(静物画)というタイトル。柔らかな世界を感じます。お気に召したらぜひギャラリーに足を運んでみてくださいね。

アートに関してもっと掘り下げたことは三宅利佳オンラインサロンにてお話してます。